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手の一部。グラフ1000への固執。

昨年12月に代替わりがあり、理科大文具研の11代目会長になった田中さん。田中さんはぺんてるのまあまあなファンであり、とりわけ「グラフ1000フォープロ」は5年以上愛用するほど気に入っている。シャーペンと言ったら「グラフ1000 0.3にAin STEINのBを入れたもの」これ一択だそう。


今回は彼にとっての「グラフ1000」とは、そしてなぜ文具に興味を持ちだしたのかということについてお話を伺った。

                現在使用しているグラフ1000


〇文具にハマったきっかけ


中学2年生の秋ごろから文具に興味を持ち始めたという田中さん。なんと文具界に侵入するきっかけこそが「グラフ1000」そして「ペン回し」であったという。


「初めはグラフ1000って、ペン回ししやすいペンとしか思っていなかったんですよね。」


中学生のころペン回しにハマり、回しやすい改造ペンを作ってはひたすらに回していたそう。しかしある時、「なんでこんなものを回しているのか。普通のペンで回せた方がいいのではないか。」と思うようになったという。彼にとって回しやすいペンとは、重心が軸の中心に近く、直線的で凹凸が少ないものだったようで、ネットで情報を集めるうちに「グラフ1000」に終着した。ただ1000円もするということで、怖くてあまり回せなかったようだ。


「値段の高いペンが筆箱に入っているということが自分の気持ちを高揚させたんです。」


比較的安価なペンしか使ってこなかったが、理由はともかく手に取った高いシャープペン、これの存在が文具への探求心に火をつけ、現在に至るという。


〇グラフ1000を使い続けるワケ


「もちろんいろいろなシャーペンを使ってきました。でも、結局グラフ1000に戻ってしまうんですよ。」


S20、ステッドラーの925-15、ドクターグリップ等、人気なものや有名なものにも手を出したが、最もしっくりくるものは「グラフ1000」だった。適度な重心バランス、軸の太さや手に当たらないクリップ、そしていいところ取りグリップ。非の打ちどころが無いという。


「僕は、ラバーグリップと金属グリップが苦手で、長時間使っているとストレスがたまってしまうのですが、グラフ1000の融合グリップならばそれはありませんでした。それぞれのいいところを活かした構造だと思います。」


「グラフ1000」の特徴の一つである金属グリップからラバーが突出しているグリップ、これによってラバーのべたつきや金属による痛みが和らいで長時間筆記に最適であるそう。


     田中さんが使ってきた「グラフ1000」。左から初代、2代目、3代目。


〇0.5から0.3への乗り換え


「グラフ1000」の中でも、どうして0.3という芯径に固執しているのだろうか。


「頭の良い友人が0.2 mmのオレンズネロを使って、ひょうひょうと字を書いているのに憧れていました。(笑)それで細い芯径に手をだしたのがきっかけですね。」


手を出した結果0.3のBを使うと軽い力で濃くかけることに気が付いて以来、これしかないと自分の中で定着したとのことだ。文具と学力に直接的な関係はないが、自分に合ったものを見つけて使うことは、作業の効率アップにつながると話していた。 

      高校時代問題を解いていたノート。文字もその友人に似てきていたそう。


〇グラフ1000とはどんな存在なのか


最後に、田中さんにとって「グラフ1000」とはどんなものなのだろうか。


「まるで手の一部のよう。そして高校受験、大学受験を戦ってきた相棒でもあります。」


手の一部と表現するまでに手になじんだ「グラフ1000」。ボールペンの使用頻度の向上やペーパーレス社会への移行により、かつてほどシャーペンを使う機会は減ってきてしまっているが、使う機会を見つけては「グラフ1000」に頼る、そのような付き合い方をしていくとのことだ。


「(使う機会が)減ってきているとはいえ、大学の講義でノートをとったり課題をやったりする際にまだ使っているんですけどね。これほどまでに自分に合ったシャーペンは今のところグラフ1000しかないので、今後も使い続けると思います。」


        文具研参上。「グラフ1000」との付き合いは長くなりそうだ。


以上、一人二役インタビューでした。


公式HP


理科大文具研 田中


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