筆記用具をスーツに合わせる

ビジネスシーンにおいて、ジャケットの内ポケットやペンポケットから覗く高級筆記具というのは装飾品としての意味合いも持ちます。


高級テーラーによるビスポーク・スーツのデザインはきわめて「普通」のものばかりです。新奇性が強い革新的なことは一切やっていません。精緻にプロポーションを設定し、立体的なボリュームを作り、着る人の身体とのバランスを煮詰めていく。そのようにして「極めて美しい普通」を生み出しているのです。彼らは、一般的なブランドが必死でやっているようなデザイン・アイディアに興味がありませんし、「普通」であることを恐れてはいません。

しかし、「普通」であることを恐れるあまり、自分たちのオリジナリティを過剰に加えてしまう人も少なくありません。確かにオリジナリティを追求することは大切ですが、製品の種類が飽和化している今、独自のオリジナルだけを追求することにはもはや限界があります。

そして普遍的なスーツに合わせる筆記用具もまた普遍的である必要があります。高級なものというのは、高級であればあるほど雰囲気を醸し出します。しかし、ひとつだけ気を付けていただきたいことは、着用は“さりげなく”ということです。装飾とはさりげなく、身に付けていることすら忘れるほど無造作な感じが理想だと思っています。身に着けているアクセサリーが着用している本人よりも目立っては本末転倒です。奇抜なデザインなどは必要なく「普通」であればいいのです。

では、どのようなものを選べば良いのか。筆記用具には多種多様な種類がありますが、取り出す際のスマートさからツイスト式のボールペンが良いと考えます。色はブラックを基調としシルバーやゴールドがアクセントで入っているような物をお選びいただければ問題ありません。いくつか具体例をご紹介いたしますと、「モンブラン:マイスターシュテュック」「パーカー:ソネット」「ウォーターマン:エキスパート」「クロス:タウンゼント」などです。オリジナリティを出したければ、こういったモデルの中から限定品を選んでみてはいかがでしょうか。もちろん、さりげなく。


モンブラン マイスターシュテュック 75周年アニバーサリー 限定モデル:通常モデルと違い、天冠部にダイヤモンドがあしらわれている。